冷蔵庫の野菜室その奥底に消費期限をとうに過ぎたししとうがあり、しんしんと積もった黴は細雪を思わせた。目にした途端に視界は靉靆とし、前後不覚の霧中であるいは卒倒しようかというのをすんでのところで引き留めたのは右手にそっと握られたもも()だった…
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