10/6

数ヶ月ぶりに自分で晩御飯を作った。作ったと言っても、スーパーで売ってる鍋野菜セットと鶏肉を適当に煮てクックドゥの「白菜のクリーム煮」をぶち込んだだけの、ほんの十数分でできるような代物である(実際今回の晩御飯で一番時間がかかったのは炊飯器で炊いたお米)。

 

雨の降る寒い日は一人暮らしを始めたばかりの頃を思い出す。

大学のある慣れ親しんだ駅の、大学とは反対の北口から伸びる新居への慣れない道を、新生活に浮かれて買ったまだ一度も雨に濡れていないぎこちない無印良品の紺色の傘を差しながら、歩いた。たぶん聴いていたのは、tofubeatsの水星だったと思う。

今日の東京の天気は、その日の雨をそのままなぞったようにしとしとと降る雨で、懐かしいような寂しいような嬉しいような気分で、一年前のその日を思い出した。そういえば、1人で暮らし始めたばかりの頃はよく自炊してたなあ、と思って、だから、数ヶ月ぶりに今日、晩御飯を作ったのである。

 

はあ、エモーショナルな気分。

 

そういえば、『きりこについて』を読んで西加奈子さんの本にハマったのもちょうど一年前くらいか。西さんといえば、そう、今日は2015年に直木賞をとった西さんの『サラバ!』の文庫本が、世に出る日である!

ということで書店に行ってきた。そして、その分量に驚愕した。

ハードカバーの単行本では上・下の二冊だったものが、文庫本では上・中・下の三冊に膨らんでいて、合計で約950頁!パワーのある本だなあ。

しかもその上・中・下巻で帯のコメントがそれぞれ全部違っていて、それがまた贅沢な作家陣なのだ(直木賞受賞作家に贅沢も何もないか、、、)。

まず上巻には読書好き芸人として知られるオードリーの若林さんのコメント、中巻では『八日目の蝉』『紙の月』などで知られる角田光代さん、そして下巻ではこれまた直木賞作家の朝井リョウさんのコメントが載っている。朝井さんと言えば代表作に『桐島、部活やめるってよ』や『何者』など言わずと知れた人気作家だが、その朝井さんをして「こんな作品を書かれた後、自分は何を書くべきか。途方に暮れた。」と言わしめるとは。こんな錚々たる作家陣の名前を挙げた後に語彙力ゼロの感想で立つ瀬がないが、(いや感想以前に自分に立つ瀬などはないが、)(そもそもこの人達と並べて「立つ瀬」なんて厚顔無恥にもほどがある、)『サラバ!』はどれだけ素晴らしい本なんだ!?と益々ワクワクした。

 

西さんの本は、大衆文学と呼ばれるジャンルではあるけれど、僕は読むたびに純文学に近いものを感じる。西さん本人は「ジャンルなんて関係ない!」と言うし実際その線引きがいかほど有用かはわからないけれど、とにかく純文学的な心象風景が読後に浮かぶのだ。『サラバ!』もきっと、素晴らしい作品だろうなあ。ワクワク。

 

はあ、久しぶりに日記を書いて疲れた。今日は買ってきた本を読んで、眠くなったら寝ようと思います。おやすみなさい。