「君は寂しいんだね」
言われて、ああ、これは救いのような顔をした呪詛なのだ、と確信した。自分は寂しかったのだと思わされてしまった。とたんに、自分が寂しかったのか、本当はそうじゃなかったのかも分からなくなってしまった。
「このこと、みんなには内緒にできる?」
この人は、物語が好きなのだな、と思った。
「詩のように生きられないのなら、せめて好きなように生きたいな。好きなように生きられないのなら、せめて詩のように死にたい」
酔い覚ましの水を飲みながら、その人は言った。
カーテンを開くと、ちょうど朝日が昇ってきた。