nikki

適当なことを言う日記です

ムンク

先日、といってももう2ヶ月ほど前になるが、上野にムンクの展覧会をみにいった。

 

一番心に残っているのは、偏執的なまでに生き生きと描かれた岩。舞台は海岸やら森やら様々だった記憶があるが(なにぶん時間が経ってしまっているので定かではない、もっと言えばムンクと正面から向き合ったのはこの展覧会が初めてだったので画家に係る知識はかなりおぼつかない)、その多くの画面前景にオレンジ色でビビッドに描かれた岩がすっ、と据えられていて、なんとなく面白かった。興味深いとかじゃなく、単純にファニーだった。

 

他には、太陽の絵もすごく引き込まれた。エネルギーが迸るとはこういうことを言うのだと思った。けっこう心を打たれたのでポストカードを買おうとしたら、売り切れで入荷待ちとのことだった。そりゃみんな好きだよな、と残念なようなホッとするような、気恥ずかしい気持がした。

 

晩年の作品だという「庭のりんごの木」、そこで木に成っているりんごは至極穏やかで、命の迸りが最後に結実したものであるような気がした。その意味で、太陽を描いたムンクが晩年にこれを描いたというのは腑に落ちる。腑に落ちすぎるくらい

 

さっき「けっこう心を打たれた」という表現をしたけど、今読み返してすごく嫌な気持ちになった。自分のこういうふうに斜に構えて保険をかけるようなところが嫌いだ。思えば自分のことを好きだと思ったことはあまりない。おしまい。