それは愛と恋とセックスの区別がついていないってことですよ、言わせてもらいますけど。
年の上下に関わらず敬語を貫くひとで好感を持った。愛とか恋とかはよくわからないから、
はは、そうかもしれない。わからなくてすみません。
と答えた。
結婚ならまだわかる、生活のために手を組むことは私にとってとても合理的に思えるから。でも大学生みたいな交際ってなんの意味があるのかわからない、それって結局、負い目なしにセックスができるようになるって以外に意味はないんじゃないの。
私の方からそう言った、返答が、愛と恋とセックスを理解していないからそう思うのだ、ということだった。そうかもしれないしそうでないかもしれない。確かに私は精神的な結びつき(プラトニックとか言われるやつ)とか、ことに及ぶ前の予定調和とか、事後の安心感と空虚な気持ちとか、退廃的な生活への憧れとか、そういったものについて語る言葉をもたない。そも、恋愛の成就・蹉跌などを通じた精神的成長というものを経験したことがない。人との関わり、とくに情欲のなかで生じる悲喜こもごもを知らない。自己の経験に基づかない代理学習には限界がある。だから私は恋愛に意味を認めることができない。認識することができない。そういう姿勢が、愛・恋・セックスなどを正しく認識していない、ということだ。ろうと思う。その後すぐに幹事が席替えをすると言ったので、おしまい。そのひとは別卓に移った。私はおなじ場所に残った。話はそれでおしまい。
昨日ストリップをみたんだけど、体がすごい綺麗で、ミイッちゃうっていうか、あの見るの方じゃなくて魅せられるの方の、なんかもう芸術〜〜って感じだった。すんごいの。
愛・恋・セックスのひとが離れて空いた席に別のひとが座ってそう言った。
へえ。ストリップって行ったことがないからよくわからないけど、あれってすごい気まずそう。
私が言った。
私はよくわからないことだらけだ。おまけに感じが悪い、行間が読めない。
おしまい。