nikki

適当なことを言う日記です

2018-01-01から1年間の記事一覧

ひとつ確かなことには、 ほんの少し昔まで 犬は良奴(いぬ)と表記されていたし、 猫は彼奴(きゃつ)と表記されていた、 ということです。

読書会

今度この本を一緒に読みませんか。 いいですね。ぜひ読みましょう。 一緒に読むとはどういうことだろう、と、二つ返事で提案に乗ったあとで首を傾げた。一緒に、というくらいだから、喫茶店などで一冊の本を広げ、横並びで座り(対面では片方が上下逆さまで読…

「君は寂しいんだね」 言われて、ああ、これは救いのような顔をした呪詛なのだ、と確信した。自分は寂しかったのだと思わされてしまった。とたんに、自分が寂しかったのか、本当はそうじゃなかったのかも分からなくなってしまった。 「このこと、みんなには…

死にたいほど

「大理石の彫刻って、口に入れて溶けていくチョコレートみたい」と言う彼女に私は一生かなわない。

1044文字

うちの姉は少し変わっている。どこがどのように変わっているのか、具体的に言い表すことはなかなか難しいのだけれど、家の中でもしじゅうマスクをつけているだとか、爪をほとんど切らないだとか、生き物のにおいがするから木のスプーンが嫌いだとか、要する…

ももとししとう

冷蔵庫の野菜室その奥底に消費期限をとうに過ぎたししとうがあり、しんしんと積もった黴は細雪を思わせた。目にした途端に視界は靉靆とし、前後不覚の霧中であるいは卒倒しようかというのをすんでのところで引き留めたのは右手にそっと握られたもも()だった…

Ne Me Quitte Pas

ニーナシモンをきいたら留学してたときを思い出してすこし泣きそうになった それは確実に日常としてしこしことすごしていたはずの留学生活がいつのまにか非日常の思い出にかわってしまっていることのまぎれもない証左で美化ふざけんなとおもい脳内のイメージ…